アセスメントに求めるもの(その2)

ここでいうアセスメントは、プロセスアセスメントです。プロセスアセスメントは、一般的にCMMIやAutomotive SPICEなどのベストプラクティスモデルを用いて行います。プロセスアセスメントは、組織のプロセス上の強み、弱み、リスク、改善の機会を明らかにすることを目的としていますが、いつの頃からか、何故か組織の成熟度やプロセス能力レベルを評価する(あるいは判定する)のがアセスメントという捉え方が定着してしまっているように思います。CMMIやAutomotive SPICEが、成熟度や能力レベルを定義しているので、ある意味うなづける部分もあるのですが、内容が伴わずレベルという言葉が独り歩きしてしまっているようです。
そして、「どうすればレベルを取得できるのか」、とか、「モデルに従って忠実に実施すればよい」といった考え方になり、挙句に、労多くして益少なしといった結果に終わってしまうということが多いのではないでしょうか。発注で求められるから仕方なく取り組むといった場合、いやでもこれを維持するとすれば、供給者サイドはもとより、発注者も浮かばれません。

SECの議論で、「問題(課題)ベースの改善」と「モデルベースの改善」を対比した議論がありましたが、このような対比をしなければならないくらい、現状の取り組みが歪んでいることを窺わせます。 問題や課題への対策を抜きにした改善など有り得ないと思いませんか?  問題や課題を浮き彫りにし、それを解決するための糸口を見つけたり、対策を優先順位付けする手段として、モデルやアセスメントはあるはずです。レベルに拘泥するあまり、本来の目的を見失ってはいないでしょうか。

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アセスメントの意味に関連して=ISO9000陣営の模索と背景

伏見です。堀田さんの問題提起への直接の回答コメントではありませんが、この機会に、ISO9000推進陣営でも、当然、各種批判への自己点検はしているらしいこと、およびそれに関連する話題を記録しておきます。
第17回JAB/ISO 9001公開討論会(2011年3月16日)のプレゼンからの抜粋

WG1:QMS能力実証型審査 基本的考え方と計画
http://www.jab.or.jp/news/2011/att/11020800-1.pdf
1-1. QMS能力実証型審査とは(2)
・有すべきQMS能力像 vs ISO9001の要求 vs 組織の能力
→適合の判断は、「意図」への適合、「形式」への適合ではない(画一的判断からの脱却)
→規格の意図を満たしている=保証できるQMS「能力」を有している(以降3年間の認証期間を前提として)

同日の他のプレゼンは:
WG2:QMS能力実証型審査の方法と実施
http://www.jab.or.jp/news/2011/att/11020800-2.pdf

WG3:組織の視点でのQMS能力 実証型審査の価値の追究
http://www.jab.or.jp/news/2011/att/11020800-3.pdf

ちなみに、ISO9000の実務者には、こうした動きへの反論(反感?)も多いようです。
http://www.ms-jitsumu.com/sub62-01-95.html

関連して、古いエッセーですが:
ISO9000と経営の日本化(H12年9月4週号)
http://www.n-souken.com/news/news066.html

もっとも、そうはいっても、トヨタ方式も多難:
http://www1.harenet.ne.jp/~noriaki/link72-6.html

http://www.eco.nihon-u.ac.jp/center/economic/publication/pdf/10-04ikemoto.pdf

http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/~marukawa/keieikanri.pdf

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アセスメントに求めるもの

ISO9001とCMMは、ほぼ同時期に欧州と米国で生まれましたが、CMMが広まりだした頃、日本ではISO9001が先行していました。その当時、それらの違いについて質問があり、私は、ISO9001はCMMのレベル3相当でしょうといった記憶があります。これは全く間違いとは言えないでしょうけれど、大雑把すぎる議論だとも思います。

同じである部分、同じでない部分いろいろある中で、大きな違いの一つとして、CMMは「shall」を使っていないということがあります。「shall」はISOの世界では要求事項を意味します。 一般にCMMやCMMIはベストプラクティスのモデルと言われます。会社で使用しているプロセスがモデル通りであるかどうか、あるいは、モデルを守っているかどうかが重要なのではなく、ビジネスにとって有効かどうかが重要です。プロセス能力が高い、成熟度が高いということは、プロセスがビジネス上の目標達成にそれだけ有効でなければならない道理です。でも、もしそうならないことがあるとしたら原因は何でしょう。皆さんはどう思われますか?

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ナイチンゲールと統計学

昨年11月に「ナイチンゲールに学ぶデータ活用術」という副題をつけたワークショップを行いましたが、最近になって、ナイチンゲールとデータ分析が結びつかないというご指摘をいただきましたので、この場で補足させていただきます。

ナイチンゲールというと献身的な看護をした白衣の天使というイメージが強いのですが、実は、語学、哲学、歴史、美術、地理、天文学などあらゆる学問に精通していた上に、政治力にも秀でたスーパーウーマンだったのです。あらゆる学問の中には統計学も含まれていて、円グラフもなかった時代に様々なグラフを自ら創出し、クリミア戦争での負傷による死者より伝染病による死者が圧倒的に多いことを示すために活用しました。これらのグラフに加え、兵舎や病院設計の改善提案などをまとめた報告書を、英国陸軍の衛生状態の改革を検討するための委員会に提出し、英国の医療衛生改革が行われていくわけです。

<参考文献> 「ナイチンゲールは統計学者だった!」 統計の人物と歴史の物語、丸山健夫 著、日科技連

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プロセスという考え方の整理

このブログを訪問される方は、「プロセス」というものについて、何がしかのイメージをお持ちでしょう。私の経験では、「プロセス」(もちろんソフトウェアやITのプロセス)という言葉でイメージするものは人によってかなり違います。

Aさんは、プロセスとは仕事の手順だと思っています。某IT雑誌の記者の方は、プロセスとは明確な手順のことと理解されて、「自宅から会社へ通う経路やその途中でのイベントの選択にはいろいろある」ということをプロセス概念の易しい解説として書かれていました。

Bさんは、プロセスとは、プロジェクト実施の上で登場するフェーズまたはステップのことだとイメージしています。この場合、プロセスは時間的な流れと、プロセスXの次には(あるいはプロセスXの結果を受けて)プロセスYがあるというプロセス自体の上流・下流概念(流れは一本の場合と、支流や分岐を含む場合とある)が重要となります。

Cさんは、ISO 9000規格をよく知っているので、プロセスとは、入力を出力にかえる活動だととらえています。このプロセスは、組織の業務を遂行するための「プロセスのシステム」を構成していて、その業務の品質(業務品質は、製品品質を支えるものです)が問題となります。

Dさんは、ソフトウェア開発の歴史を知っていて、(開発者のではなく)ソフトウェアのライフサイクル・プロセスというものの重要性を見聞して来たので、ソフトウェア・プロセスの考え方というのは、ライフサイクル全体を通した問題点を強く意識することだと思っています。

Eさんは、プロセスとは、ソフトウェア・エンジニアリング・プロセスの省略した言い方だと思っているので、ソフトウェア・エンジニアリングという工学的な手法をいろいろなソフトウェア開発場面で駆使するあり方のことだと思っています。

プロセスについて、議論をはじめる際には、これらのどのようなプロセスを問題にしたいのかを整理した方がよいと思います。そうでないと、議論が表面的になり、仮に議論が何らかの合意に達したいように見えても、参加者のイメージは実は分裂したままというのがよくあることだと思います。

ちなみに、私は、上のAさんから、Eさんの意見のどれとも違って、”組織やチームが持つ、技術的によく練られ・高度化された、ソフトウェア開発・運用のトータルな(かつ区分された)方法のこと”と考えています。皆さんはどうでしょう。

伏見 諭(合同会社ソフデラ)

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~人間重視のプロセス改善と情報交換~

こんにちは・・時々プロセス改善フォーラムの講師を担当している関です。
プロセス改善フォーラムを開設するに当たって、現場でプロセス改善を実践している皆様に、効率的かつ効果的な実践方法や最新の情報、知識等を提供させていただくと共に、「双方向的に情報交換を行い共に成長していけたらいいな」と私は考えていました。この度、ブログを開設することになり、その思いが一歩前進したことになります。
私はプロセス改善を実践する際に、「人的側面である人間力を重視して実践しよう」との独自の切り口でワークショップやセミナーをお届けしています。何故、そのような独自の切り口を考えたかと言うと、「命令されただけでは人は動かない」との人間の本質の原点によるのです。組織的な改善活動を成功させるためには、実践する人々への「動機付け」が必須になります。そこで「人間重視の人を動かす仕組みが効果を挙げる」と考え、現場で試行錯誤して実践してきたのです。その結果、品質問題に喘いでいた本部組織をSI分野で日本初のCMM®レベル5達成に導き、高品質を達成することができました。
このブログを通じて、その際の仕組み考案のコツや裏話、時々に感じているエッセーなどをお届けし、皆様との「ご縁」の輪を広げていきたいと思っております。
☆なお、1月20日に当プロセス改善フォーラムで下記のワークショップを開講いたします。ご贔屓いただければ幸いです・・・。  (文責 ヒューマン&クオリティ・ラボ 関 弘充)
「プロセス改善成功の鍵―人を活かす協力会社管理―」
~人的側面を基盤にした実践方法と指導法~(2012年1月20日)

® Capability Maturity Model and CMM are registered in the U.S. Patent and Trademark Office.

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ブログ開設にあたって

プロセス改善フォーラム事務局の堀田です。
 プロセス改善をめぐって、セミナー、ワークショップを開催するだけでなく、皆様の様々なご意見やご感想の他、プロセス改善に関する疑問や議論したいことなど、誰でもどんなことでも気軽に話し合える場があるとよいということから、ブログを開設することになりました。コンピータジャパンがサイト管理を行い、講師陣の方には編集者、投稿者および読者として、皆様には投稿者および読者としてご参加いただけるようにしています。
 なお、投稿には、ユーザ登録が必要ですので、右側サイドバーの「メタ情報/登録」より手続きをお願いいたします。任意のユーザ名とご使用中のメールアドレスで簡単に登録可能です。フォーラム主催のセミナー、ワークショップへの参加有無に関わらず、どなたでも無料で登録できます。ご活用いただければ幸です。

コンピータジャパン 堀田

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プロセス改善フォーラム:ブログサイトへようこそ!

プロセス改善フォーラムは、富士通クオリティ・ラボとコンピータジャパンが協力して、プロセス改善には欠かせないであろう知識、内容を選び、皆様の学習の一助にしていただけることを願って企画いたしました。 セミナー、ワークショップはもとより、ホームページにつきましても皆様のご要望も伺いながらより充実した内容にしていきたいと思っております。

本ブログでは、セミナー、ワークショップの内容に関するご感想、ご意見、ご質問、ご要望はもとより、プロセス改善に関する疑問や議論したいことなど、何でも気軽にご投稿いただけると幸です。フォーラム主催のセミナー、ワークショップへの参加有無に関わらず、どなたでも歓迎です。

                               富士通クオリティ・ラボ/コンピータジャパン

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